戦争関連本3冊
どもども。夏と言えば終戦? という訳ではないけれど、戦争関連本3冊、まとめて読みました。
この本は、東大で日本近現代史を教えている教授が、日清戦争から太平洋戦争までの戦争に至る背景を解き明かそうとの試みたものです。
内容は、中高生向けの講義が元になっています。
これは、自らも戦争に派兵された経験を持ち、一橋大学名誉教授でもあった方(現在は亡くなられています)が、『大量餓死をもたらした日本軍の責任と特質を明らかにして、そのことを歴史に残したい。大量餓死は人為的なもので、その責任は明瞭である。そのことを死者に代わって告発したい。』との強い想いによって書かれた本。
一橋大学名誉教授が書いた本だけあって、様々な資料を元に当時の日本軍の状況を明らかにし、大量餓死をもたらした背景、そして日本軍の特質について纏めています。
これは、自らもシベリアに抑留された経験を持ち、シベリアで死んだ同胞の為に作成したソ連拘留死亡者名簿を個人で作成した著者が、シベリア拘留死亡者問題などについて書いたものを纏めた本。
たまたまですが、この3冊を連続で読んだことによって話が繋がり、理解が深まった点もありました。そういう意味では、まとめて読んでよかったデス。
中でも印象に残ったのが、↓
大本営の無茶苦茶な作戦に翻弄され、無駄に(その大半が戦闘ではなく餓死によって)命を落としたという事実。
一番ビックリしたのは、太平洋戦争時に馬を連れて行ったこと(1頭も帰国しなかったそうです)。そして、銃剣で突撃したということ。
知っている人には今更なコトだと思うけれど、「え? 太平洋戦争だよね。戦車と戦うのに、馬に銃剣?」と。
以下は、この本に引用されている実録太平洋戦争〈第2巻〉ミッドウェー海空戦からガダルカナル撤退まで (1960年)の『人間の限界-陣中日誌』からの転載です。
『12月27日(1942年)
今朝もまた数名が昇天する。ゴロゴロ転がっている屍体に蠅がぶんぶんたかっている。
どうやら俺たちは人間の限界まできたらしい。
生き残ったものは全員顔が土色で、頭の毛は赤子の産毛のように薄くぼやぼやになってきた。黒髪が、ウブ毛にいつ変ったのだろう。体内にはもうウブ毛しか生える力が、養分がなくなったらしい。髪の毛が、ボーボーと生え・・・・・・などという小説を読んだこともあるが、この体力では髪の毛が生える力もないらしい。やせる型の人間は骨までやせ、肥える型の人間はブヨブヨにふくらむだけ。歯でさえも金冠や充填物が外れてしまったのを見ると、ボロボロに腐ってきたらしい。歯も生きていることを初めて知った。
この頃アウステン山に不思議な生命判断が流行り出した。限界に近づいた肉体の生命の日数を、統計の結果から、次のようにわけたのである。この非科学的であり、非人道的である生命判断は決して外れなかった。
立つことの出来る人間は・・・・・・寿命30日間
身体を起して坐れる人間は・・・・・・三週間
寝たきり起きられない人間は・・・・・・一週間
寝たまま小便をするものは・・・・・・三日間
もの言わなくなったものは・・・・・・二日間
まばたきしなくなったものは・・・・・・明日』