ムックの呟き

5日間会社を休むほどの月経困難症をキッカケに子宮腺筋症(子宮内膜症の一種)と診断されました。色々と考えた上で西洋医学による治療は行わず、漢方薬と養生で乗り切りましたー

池上彰の講義の時間 高校生からわかる「資本論」

池上彰の講義の時間 高校生からわかる「資本論」 [単行本(ソフトカバー)] / 池上 彰 (著); 集英社 (刊)

世の中のコトを分かりやすい言葉で説明する名人、池上彰さんがマルクスの『資本論』について解説している本です。

この本、高校生を対象に、マルクスの『資本論』について解説した時の内容を元にしているそうで、文章は喋り口調。TV番組での池上彰さんの説明を見ているのと同じ感覚で、読み進めるコトができました。

で、読んでみた感想。

まず、「マルクス、すげ~。」

今の経済の状態を、140年前に予言しているんですよ。

そして、「マルクス、一体何を考えていたんだ!?」

だって、文章が難解すぎる・・・。この文章、本当に、理解してもらう為に書いたんだろうか??

『一人の資本家が存在するためには多くの資本家が虐殺されるのである。この集中、もしくは少数の資本家による多数の資本家の財産収奪と並行して、労働プロセスにおける協同作業の形態が、たえず進んだ段階へと発展していく。同時にまた科学が意識的に技術へと応用されるようになり、地下資源が計画的に掘り出され、労働手段が協同でのみ利用できる形に変化し、協同の社会的労働の生産手段として利用されることによるあらゆる生産手段の経済化が進み、すべての民族が世界市場のネットワークに組み込まれ、それとともに資本制の国際的性格が発展する。巨大資本化はこうしてその数を減らしながら、この変容過程がもたらすいっさいの利益を奪い取り、独占していくのだが、それとともに巨大な貧困が、抑圧が、そして隷従と堕落と搾取が激しくなる。だがまた、資本制生産過程のメカニズムを通じて訓練され、統合され、組織化され、増加する一方の労働者階級の憤激も激しくなる。資本の独占は、それとともに、今度はまたその下で花盛りとなった生産様式そのものを束縛しはじめる。生産手段の集中は、そして労働の社会化は、ついにその資本制的な被膜と合わなくなるところまでくる。』

そしてマルクスは、

『そしてこの被膜は吹き飛ばされる。資本制的私的所有の終わりを告げる鐘が鳴る。収奪者たちの私有財産が剥奪される。』

つまり、資本主義経済が発展すると、革命が起こって資本家の財産が剥奪されるって、言っているのだけれど、この部分については、マルクスの予言どおりにはなっていない。

「いや、これから革命が起こるんだ。」と思う人も、もしかしたら居るのかもしれないけれども。

わたし個人的には、資本主義の良いところを残しつつ、労働者が搾取されるばかりで、資本家に資本が集中しないような形に、会社の経営の仕方が変わっていって欲しいなと思う。

とは言うものの、今のように、株主が居て、社員が働いてって状況では、それは実現できないだろうから、会社の形が変化する必要があると思うけれど。

例えば、株主=社員、という形にする、とか。

で、全ての社員が、平等に株を持つ。

勿論、社員以外の人は、株主にはなれない。

そうなると、搾取される側である社員は、同時に、搾取する側でもあるから、つまり、自分自身の利益に為に、働けるということになる。

世界の経済が、今後、どのように発展、変貌していくのか?

それについて、今まさに、世界規模の実験中なのだと思う。

世界中の国々が、経営者が、学者が、その他の経済に興味を持っている人たちが考えて、色んな実験をしている最中なのだと思う。

これからの日本の経済、一体どうなっちゃうんだろう? と思う方は、この本を読んでみると、何かヒントを得られるかも。考えるキッカケを得られるかも。

あ、勿論、マルクスの難解な文章は、池上先生が、分か~りやすく、レクチャーしてくれますので、ご心配なく!