『人新世の「資本論」』読了
人新世の「資本論」を読み終わりました。
経済成長がなければ私たちは豊かになれないのだろうかを読んだのが10年前。
この本を読んで、当時から抱き続けてきた「資本主義が悪いのは分かる。けれど資本主義の次に目指すべき社会の姿って、どんなものなのだろう?」という問いへの解を見つけることができた。
脱成長コミュニズム。
そして、それは机上の空論ではなく、すでに世界各地で芽吹いている。
少し長いけれど、『おわりにーー歴史を終わらせないために』より引用。
『 ワーカーズ・コープでもいい、学校ストライキでもいい、有機農業でもいい。地方自治体の議員を目指すのだっていい。環境NGOで活動するのも大切だ。仲間と市民電力を始めてもいい。もちろん、今所属している企業に厳しい環境対策を求めるのも、大きな一歩となる。労働時間の短縮や生産の民主化を実現するなら、労働組合しかない。
そのうえで、気候非常事態宣言に署名活動もすべきだし、富裕層への負担を求める運動を展開していく必要もある。そうやって、相互扶助のネットワークを発展させ、強靭なものに鍛え上げていこう。
すぐにやれること・やらなくてはいけないことはいくらでもある。だから、システムの変革という課題が大きいことを、なにもしないことの言い訳にしてはいけない。一人ひとりの参加が三・五%にとっては決定的に重要なのだから。
これまで私たちが無関心だったせいで、一%の富裕層・エリート層が好き勝手にルールを変えて、自分たちの価値観に合わせて、社会の仕組みや利害を作りあげてしまった。
けれども、そろそろ、はっきりとしたNOを突きつけるときだ。冷笑主義を捨て、九九%の力を見せつけてやろう。』