ムックの呟き

5日間会社を休むほどの月経困難症をキッカケに子宮腺筋症(子宮内膜症の一種)と診断されました。色々と考えた上で西洋医学による治療は行わず、漢方薬と養生で乗り切りましたー

やはり死ぬのは、がんでよかった

子宮腺筋症と診断された頃、この病気とどのように向かい合っていこうかと悩む中で色々な本を読んだのですが、その中で特に印象に残っている本を紹介します。

 

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著者の中村仁一さんはお医者さんです。

この本を執筆された4カ月後に、ご自宅で亡くなっています。

父 中村仁一が永眠いたしました。 - 自分の死を考える集い開催スケジュール掲示板の最後のエントリから、少し抜粋します。

『2021年6月5日(土)19:30にガンで死にたいと皆様に伝えていた通り 肺ガンで 自宅にて父が 永眠いたしました。81歳でした。』

『父は 遺言5で「もう生きたくないと考えるのは 自力で食べられなくなった時」と書いておりましたが 実は 亡くなる当日の朝まで 妹が作ってくれたトンカツを数切れ 食べていたそうです。』

できるだけ医療や介護に頼らず、死の当日まで自宅で過ごす。食事も自力で摂る。

まさに、私が憧れる死に様です・・・。

 

個人的に特に勉強になったのは介護についての記述です。

『死に際には、飲み込む力も弱ってきます。しかし、心優しい介護職員は一口でも一匙でもと使命感に燃えて涙ぐましい努力をします。その結果、喉元にものが溜まってゴロゴロと音がして苦しみます。そうすると、鼻から管を入れて、それを吸い取る「吸引」という荒技を施さなくてはいけません。これは、死にゆく人間を二重に苦しめることになっているのですが、介護職員にはあまりその感覚はないようです。

 以上のように、現在では、医療の”虐待”のみならず、「食事介助」「生活湯灌」「吸引」などの介護の”拷問”を受けることなく死ぬことは、至難になっています。』

『本人が自力で食べられるように、調理は工夫して目の前に置くが、手を出さなければそのまま下げてしまうという北欧式や、『「平穏死」のすすめ』(石飛幸三著、講談社)の中に出てくる、「栄養をとらずに横たわる一を、水だけ与えて静かに看取る」という三宅島の先人の知恵を、もう一度、噛みしめてみる必要があると思います。』

以前、TVのニュースでアメリカの高齢者施設の様子がチラっと映った時、高齢者の方が自分で食事を摂っていたことに驚いたのですが、こういうことだったのですねー。

この本を読んで、私にも高齢者への食事介助は虐待だと理解できました。

 

次に実家に帰った時は、この本の内容を両親にも伝えようと考えています。