プー横丁にたった家
- A.A. ミルン, A.A. Milne, 石井 桃子
- プー横丁にたった家
この本の最後のシーンを読むと、泣いてしまうムックであります(^^ゞ
この本はクマのプーさんシリーズ2冊の完結編で、最後の章では、クリストファー・ロビンとクマのプーさんのお別れのシーンが描かれるんです。
その、最後のシーンを以下に引用します。。。
「プー、ぼくが------あのねえ------ぼくが、なにもしないでなんかいなくなっても、ときどき、きみ、ここへきてくれる?」
「ぼくだけ?」
「ああ。」
「あなたも、ここへきますか?」
「ああ、くるよ、ほんとに。プー、ぼく、くるって約束するよ。」
「そんならいい。」と、プーはいいました。
「プー、ぼくのことわすれないって、約束しておくれよ。ぼくが百になっても。」
プーは、しばらくかんがえました。
「そうすると、ぼく、いくつだろ?」
「九十九。」
プーはうなずきました。
「ぼく、約束します。」と、プーはいいました。
まだ、目は世界のほうを見ながら、クリストファー・ロビンは手をのばして、プーの前足をさぐりました。
「プー。」と、クリストファー・ロビンは、いっしょうけんめい、いいました。「もしぼくが、------あの、もしぼくがちっとも------」ここでことばが切れて、クリストファー・ロビンは、またいいなおしました。「たとえ、どんなことがあっても、プー、きみはわかってくれるね?」
「わかるって、なにを?」
「ああ、なんでもないんだ。」
そういうと、クリストファー・ロビンは、笑って、はね起きました。
「さァ、いこう。」
「どこへ?」
「どこでもいいよ。」と、クリストファー・ロビンはいいました。
そこで、ふたりは出かけました。ふたりのいったさきがどこであろうと、またその途中にどんなことがおころうと、あの森の魔法の場所には、ひとりの少年とその子のクマが、いつもあそんでいることでしょう。