ちょっとリスクが上がるだけだから・・・?
3月16日に、東大病院放射線治療チームの@team_nakagawaが呟きました。
『そもそも日本は世界一のがん大国で、2人に1人が、がんになります。つまり50%の危険が、100mSvあびると50.5%になるわけです。タバコを吸う方がよほど危険です。現在の1時間当たり1μSvの被ばくが続くと、11.4年で100mSvに到達しますが、いかに危険が少ないか分かります。』
他の医療関係者と思われる方も、同じような事を呟いていました。
医療関係者にとっては、リスクって、そういう風にとらえるもの、なのでしょうか。。。
で、私も少し、考えてみました。
この理屈、原発を推進している方、原発を容認している方には、通じるかもしれません。
つまり、「原発は便利」、「原発は必要」と思っていれば、「ほんの少し、健康が脅かされてもいいか。」と思えるのかも、しれません。
でも、以前から、
「この地震大国の日本に原発を54基も動かしてるなんて、おかしい。」
「六ヶ所村の再処理工場を止めて欲しい。」
と考えている、私には、
いらない物、削除して欲しい物の為に、自分の健康が脅かされるのは、
たとえ、その可能性が低いとしても、許容する気持ちになれません。
ただでさえ、自分が支払う電気代や税金が原発や再処理工場の為に使われることに、不満を持っているのです。
その上、更に、健康リスクも犯されるなんて。
■ひと言(2011年3月27日修正)
現在、『2人に1人が、がんになります』という状況になってるのも、
冷戦時代に色んな国が核実験をやったりチェルノブイリの影響で放射線を浴びている影響、また、原発を沢山稼働している影響が、あるのではないか?
■2011年3月27日追記
ヒバクシャ ドキュメンタリー映画の現場からより。
『肥田先生は原発から排出される微量放射線の影響を調べようとしているのだ。ジェイ・グルードというアメリカの統計学者が、アメリカで乳ガンの死亡率が増加したのは実は原発の周囲100マイル圏内のみだということを統計から割り出していたからだ。
(中略)
肥田先生の調査は意外な局面を迎えていた。日本にある53基の原発を中心に100マイルの円を描くと、すっぽりと日本全土が覆われてしまい、中と外の区別をつけることができないということがわかった。ここで調査は無駄だったか、と思えたのだが、描いた死亡率のグラフがある歳を境に急上昇していることが見えてきた。1996年、乳ガンの死亡者数が突然10倍になっているのだ。
(中略)
肥田先生は、ひょっとしたらチェルノブイリの影響が10年後に出たのではないかという仮説を立てた。』
■2011年4月5日追記
一般社団法人 サイエンス・メディア・センター Science Media Centre of Japanの低線量被ばくの人体への影響について:近藤誠・慶応大により
『0.5 %という数字は、国際放射線防護委員会(ICRP)の2007年の勧告中にある、1シーベルトあたりの危険率(5 %)に由来していると思います。つまり1シーベルトで5 %ならば、その10分の1の100ミリシーベルトならば、危険率は0.5%になるというわけです。しかし、この数字は発がんリスク(がんになるリスク)ではなく、がんで死ぬリスクです。ここでは、2人に1人ががんになるというのは発がんの確率ですから、ここに、危険率(がんで死ぬリスク)の0.5 %をプラスしているのは、発がんリスクとがん死亡のリスクを混同していると考えられます。
リスクを混同している上に、喫煙量も明示せずにたばこの方が危険と言っている。
メディアの方は、こういう乱暴な議論に気をつけ、科学的な根拠の誤用に気をつけていただきたいと思います。』
やっぱり、専門家から見てもおかしな記述だったようです。やっぱりなぁ~。